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新宿御苑にお花見に行ってきました

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4月3日、快晴の中、ALSで自宅療養中の患者さんと妹さんと新宿御苑にお花見に行ってきました。
ぽかぽかのいいお天気で桜も一気に満開。最高のお花見日和でした。

ご自分で編んだピンクのカーディガンを着て、スカーフを巻いて出発です。
玄関の狭い路地は妹さんがアンビューバックを押しながら車まで移動しました。
普段はずっと室内にいるため春の日差しがまぶしいようで車内では目を細めていらっしゃいます。
新宿御苑に着くと、観光バスが何台も停まって多くの人でにぎわってました。春のウキウキ感が高まります。
入り口を入ると桜が見事に満開で、息を呑む美しさでした。桜も薄いピンクから濃いピンクまで様々です。
自ら首を動かすことは難しいため、出来るだけいい景色が見れるようにストレッチャーの位置や高さも変えながら進みます。
その景色を眺めるご本人は家にいる時とは目の輝きが違います。パッチリ目を開いて、目に勢いを感じます。
しかしストレッチャーでの移動は舗装されたアスファルトでもいつにない振動があるため、痰が上がってきます。
振動が強いと、舌を噛んでしまいます。顔のマッサージをしてガーゼをはさみ、それからは福祉車両の業者の方がストレッチャーを持ち上げて移動してくれました。
帰ろうと車に乗り込む時、ご本人の目から涙がこぼれてました。

次の日、伝の心でご本人が書いた文書です。

「昨日は快晴の中お花見に行ってきました。満開できれいでした。顔に風が当たり爽やかでした。大きな花もたわわについていました。また機会があったら行きたいと思っています。」

約50分かけて、何度も修正しながら書いてくださったメッセージには感動しました。
顔に当たる風・・・私はいつも当たり前のように感じていて顔に当たる風を爽やかだと感じたことがあったかな。普段の療養生活の中でこういう風や陽光などを意識して看護をしたことがあったかなと自問自答してしまいました。

病気が発症してから5年、人工呼吸器をつけながらの自宅での生活はもうすぐ3年になろうとしています。
もともとお花が大好きな方ですが、なかなか外出することができず、意欲を引き出すことが私達看護の課題となっていました。

苦痛の緩和や合併症の予防はもちろんの事だけれども、人の生活には自然を五感で感じ季節を楽しむことが重要なんだとこの方に教えて頂きました。
病気に目が向きがちな医療職ですが、病気を抱えながら今を生きている人生にもっと目をむけていかなくてはいけない。
そのために私も顔に当たる風や草木の成長など新鮮に感じられる感性を持ち、心の余裕を持っていたいと思います。

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コメント

すごい,すごい!!お花見に行けたなんて,素晴らしいです!読ませて頂いて、涙がでるほど私も嬉しかったです。 人工呼吸器をつけて療養されているかたの外出は,外出先の痰の吸引・呼吸器の運搬・感染のリスクを考えると,どうしても必要最低限なことになりがちですよね。 以前,私が訪問させていただいていたALSのかたも,お花が大好きなかたでした。暗い部屋のなかでじっと過ごされているそのかたに季節を感じていただこうと,訪問に向かう道すがら,咲いている花の事や風の温度をお伝えしました(時には公園に咲いている桜の小枝を一つだけ折って…ごめんなさい!) 寝た状態で過ごされていても,そのかたが「生きている」ことを実感し,「生きていく」ことを傍で伴走させていただきたいと思います。 そして,伴走されているナースのあなたにも,心からエールを送らせていただきますね。

投稿: 根本美貴 | 2009年4月 7日 (火) 08時08分

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